ファイトレメディエーション、エレクトロメレディエーションという言葉をご存知でしょうか。土壌汚染の確認された土壌に対して汚染を除去、浄化するための手法です。現在ではまだまだ研究段階であり、工業的には行われていない手法のようですが。ご紹介いたします。
それではまず、ファイトレメディエーションからお話します。
ギリシャ語で植物を意味するPhyto、ラテン語で修復を意味するremediumから作られた言葉です。植物を使って土壌汚染を浄化する方法です。植物の中には、特定有害物質を吸収し、体内に蓄積したり、分解したりできる能力を持ったものがあるそうです。
例えばイネはカドミウムを吸収し、蓄積する能力がありますし、ひまわりには鉛を吸収する能力があるそうです。土壌の汚染状況や汚染物質によって、どんな植物が適しているのかを把握しなければなりません。カドミウムに関してはイタイイタイ病などの原因にもなっていましたね。イネ以外にも、野菜にも海産物にも含まれたいたといいますね。現在では食品植物の中のカドミウム濃度を測定して、出荷するようになっています。カドミウムを吸着したイネは最終的に焼却処分されます。
ファイトレメディエーションは油汚染の浄化にも適している植物があるそうで。実証実験を行い、土壌中の油の濃度が2年間で7割減となった報告もあります。(環境新聞)ファイトレメディエーションは景観も悪くなることがなく、汚染が場外に出ることもなく素晴らしいですね。今後の課題としては、植物の根が届かない範囲の汚染処理をどうするか、季節や発育の段階で処理できる量が安定しないという部分のようです。植物を使用する限り一律でというわけにはいかないですね。
次にエレクトロレメディエーションの紹介です。
エレクトロということで電気を使用して土壌汚染を浄化する技術です。イオン形態で存在している汚染物質を電気の力で電極に吸着させるというものらしいです。恥ずかしながら私も初めて知りました。こちらも掘削除去とは違い、汚染土壌を搬出することなく浄化が行えるようです。これから研究が進んでいけば低コストで土壌汚染の問題を解決することができますね。この手法も汚染物質の状態や土壌の状態によって効果的なのか、実際に健康被害のリスクがなくなるまで浄化ができるのかなど研究が必要なようです。土壌中にはイオン形態では存在していない汚染物質も多いので、課題としてはそのあたりでしょうか。地下水の汚染であれば、井戸を設置して、電極を差し込むことで汚染物質の回収ができそうですね。これからまだまだ研究が必要な分野だそうです。
土壌汚染の分野もまだまだこれからです。環境負荷の少ない浄化対策の手法が日々研究されています。汚染が見つかり、手付かずの土地を安価に、短期間で再開発が行われるようになれば、土地を持て余している地主さんの問題解決できますね。
土壌汚染のことで気になること、わからないことなどありましたら、是非ジオリゾームにご相談ください。
森上
*業務時間外は、直接担当者に繋がります。