皆さん、こんにちは!
12月に入り、ますます寒さが厳しくなってきました。
今まで以上に暖かくして、温かいお鍋を食べて冬を乗り切りましょう!!
さて、近頃お問合せ頂く中で、
「地歴調査ってどう行っているの?」
「フェーズ1ってどんな調査をするの?」
「地歴調査って何?」「地歴調査の費用と期間を知りたい」など地歴調査に関して様々なお声を頂きます。
そこで、今回は地歴調査についてお話しいたします。
まず、地歴調査とは。
地歴調査は「フェーズ1」「土地利用履歴調査」とも言われます。
対象の土地の過去の資料、土地の変遷や場合によって行政へ提出している届出等の内容から
○どう土地が使われてきたのか
○土壌汚染の可能性があるのか
○土壌汚染の可能性がある場合どんな物質を使ってたのか等を調べていきます。
これらの結果から土壌汚染の可能性があるのか、
どの物質を対象に調査を進めていくのかを調べます。
*あくまでも「土壌汚染の可能性があるかどうか」の調査になりますので、
実際に土壌を採取しないことには土壌汚染の有無は分かりません。
次に、どんな場合に地歴調査が必要になってくるのか。
基本、
➀土壌汚染対策法・各都道府県、市区町村の条例における義務的な調査
➁土地売買等における自主的な調査
の2つです。
➀の場合、
・特定施設(水質汚濁防止法等)の届出があり、
かつ特定有害物質を使用している。
・3000㎡以上の土地に新しく建物、宅地を開発する。
等があります。
*水質汚濁防止法に関してはこちらをご参照ください!
⇒➀法律:水質汚濁防止法
・土地の土壌汚染があるのかどうか可能性を知るため
に行う。
・汚染がある可能性が高いので、
今後の対策を行う際にどう進めていくのかを計画する材料。
等があります。
様々な要因で調査が必要となってきますので、ご相談頂ければと思います!
続いては、費用と、調査の流れはどう行うのか。
費用は、
自主調査の場合概算で30万~、
義務調査の場合、概算で60万~とお伝えしております。
対象の土地において地番数が多い場合、面積の広さ、また義務調査の際の行政対応の有無等により増減いたします。
地番数や対象の土地の面積等、詳細をお教え頂ければ御見積をお出し致します。
調査の流れは、
➀事前調査:
お客様から頂いた資料や、アンケートをもとにどう利用されていたのかをまとめます。
また、登記簿謄本、住宅地図、地形図、航空写真から土地の変遷を見ていきます。
➁現地踏査・ヒアリング調査:
実際対象の土地に調査に入り、現在の利用状況等をチェックします。
また、土地の所有者の方や、事業主の方にお話を伺います。
➂報告書作成:
➀、➁の内容を精査し、対象の土地に土壌汚染の可能性があるかを報告書に落とし込んでいきます。
➀~➂まで行うのに約1カ月半~3カ月かかります。
最後に、義務調査の場合は
④行政対応:
行政に報告書を提出し、今後の対応について協議を行います。
を行います。
ここまで「フェーズ1~地歴調査」についてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?
地歴調査は奥が深いと私は日々業務を行う中で感じます。
・大規模な開発を予定しているけれど、地歴調査って行う必要があるの?
・有害物質を使っていて行政から調査するように言われた!
・建物を解体しようとしたら、調査するように言われたけどどうしたらいいのか。
等、何か少しでもお困りごとがありましたら、
鈴木
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2022年7月14日追記
地歴調査について、我々のような指定調査機関から、
どのようなヒアリングをしているのか、現地踏査の際にはどういったことを確認しているのかということについて、お話いたします。
■ヒアリング調査
ヒアリング調査の段階では、事前調査から得られた資料に間違いがないか、
追加するような情報がないか確認するというのが大まかな内容になります。
例えば、有害物質使用特定施設の届出が出ている工場であれば、
事前調査の段階で得られた工場設備の配置であったり、
有害物質の使用方法、利用量、
過去に設備の移動や増築などの関係で、現在とは違う場所で有害物質を使用していた場所があったのか等をヒアリングします。
その他、地盤高を変更するような盛土や切土の工事の履歴の有無や、有害物質の漏洩事故、廃棄物の処分方法や廃棄物を埋めてしまった等の履歴があるのか、有害物質を含む排水経路が、どのように配置されているのかをヒアリングします。
有害物質の漏洩については、最近千葉県・君津市でもニュースにもなっていましたが、環境省のHPでも埼玉県狭山で有害物質の流出・漏えいの記事がありました。
土壌汚染調査も、健康被害のリスクを判断するために必要なことですが、工場からの流出・漏えいがあれば近隣の土壌汚染についても、健康被害が出ないように検討しなければなりませんね。
地盤高の変更については、有害物質の使用とはあまり関係なさそうですが、過去に操業していた工場の地盤高が現在の地盤高よりも低い場合(過去有害物質を使用していた工場跡地に、1m程盛土をして現在の地盤高になっている等)、
土壌汚染調査のサンプリングについては、旧地盤高の深度(現状の地盤高よりも1m深い深度)についてサンプリングが必要になります。
廃棄物の処分方法については、一般ごみなのか有害物質を含むような廃棄物なのかということも含めヒアリングを行います。場合によっては、特定有害物質ではないですが、野焼きをしていたような場所ではダイオキシン類なども土壌汚染として検出することがあります。
■現地調査について
現地調査では、事前調査の資料やヒアリング内容が現状の工場内部の設備が正しく配置されているのかを現地にて確認します。
過去の情報などで現状では異なる使用方法の為、確認出来ないということもありますが、配管経路なども最終放流桝までの流れを確認するなどしておくことも必要です。
また実際に工場の排水経路などを確認し、汚染物質が配管を流れていないかなども現地で確認します。古い場合には、ドラム缶などでごみを燃えしているということが当たり前だった時代もあるため、注意して確認を進めていきます。
現地確認の際には、事業主や専門的な知識を有している方に同行していただき、有害物質の使用方法や保管場所、保管量など、工場の状況についてご説明をしていただくなど、お手間をかけさせてしまうこともあります。何卒ご協力いただけますと幸いです。
地歴調査のヒアリング調査や現地調査についてご説明させていただきましたが、
いかがでしょうか。
もしわからないことは、どんなことを伝えればよいのかわからないなど、
ご不明点があれば、お気軽に
ジオリゾームまでご相談下さい。
森上
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2024年11月8日更新
フェーズ1と呼ばれる地歴調査には、
土地の利用履歴を調べ、対象地で使用されていた有害物質を調べ、
フェーズ2のサンプリング計画に利用するという側面があります。
有害物質の使用場所や使用方法、保管場所、廃棄場所、
有害物質を含む廃棄物を埋設したかどうかなどの点から、
土壌汚染のおそれ(土壌汚染の可能性、リスク)を調べます。
有害物質を保管していた倉庫でも、密閉容器などで漏洩などもなく、
屋内保管されているような場合には、土壌汚染のおそれはないという
判断になります。
実際にフェーズ1の地歴調査で汚染のおそれ(土壌汚染の可能性)が
ないと判断ができる場合には、サンプリング調査を実施せずに、
調査を完結することが出来ます。
例えば配送会社の倉庫で保管されている場合には、有害物質を含むものを
開封することがないため、土壌汚染は引き起こされないでしょう。
というスタンスですね。
逆にいえば、少量であっても有害物質を含む薬品などを
開封状態で保管している、もしくは使用した子があるなどの場合は、
土壌汚染のおそれ(可能性、リスク)があるものと判断することになり、
サンプリング調査を実施し、土壌汚染の有無を判断しなくてはなりません。
有害物質の使用状況、保管方法によっては、
土壌汚染がみつかることもあります。
普段から漏洩などが起こらないように丁寧に扱っていく必要がありますね。
ジオリゾーム
森上
★関連ページ:
・解説!土壌汚染調査:➀法律
・解説!土壌汚染調査:④義務調査
・解説!土壌汚染調査:➄事例紹介
*業務時間外は、直接担当者に繋がります。