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土壌汚染調査の株式会社ジオリゾーム

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PCB

PCBとは?

PCBとはポリ塩化ビフェニル化合物のことを指します。水にきわめて溶けにくく、沸点が高いなど物理的な性質を有する主に油状の物質です。

PCBが使用された主な電気機器等

PCBが使用された代表的な電気機器等には、変圧器やコンデンサー、安定器があります。

変圧器やコンデンサーは、発電施設や古い工場、ビル群、電柱、キュービクル等に使用されており、安定器は業務用・施設用蛍光灯器具に使用されていました。尚、工場や学校などの施設に使用されていた蛍光灯が対象で、一般家庭の蛍光灯にPCBを使用したものはないとされています。

PCB安定器

PCBは、酸・アルカリに侵されず、不燃性で加熱・冷却しても性質が変化されず分解されない、電気絶縁性が高いなど、化学的にも安定な性質をもつことから、トランスやコンデンサなどの変圧器の電気機器の絶縁体、化学工業や食品工業等の各種工業における加熱並びに冷却用の熱媒体、絶縁テープや樹脂類の可塑剤及び感圧複写紙など、様々な用途に利用されていました。

1954年~1972年の間に日本では6万トンのPCBが生産されており、電気機器の絶縁油の用途として広く活用されていました。
1972年以降は製造が禁止され、PCB廃棄物を保管する事業者は、毎年度保管および処分の状況を都道府県に報告することが義務付けられました。また、処分に至っては2027年3月31日までに行うことと期限が設けられました。

PCBの毒性

脂肪に溶けやすい性質を持っていることから、体内に蓄積されやすく、健康被害を発生させる恐れが高い有害物質です。土壌汚染対策法では、第3種特定有害物質(農薬類等)に該当します。
分子構造の配置によって200種類以上の異性体があり、中には極めて毒性の強いダイオキシン類として総称されるものもあります(コプラナーPCB)。

PCBによる健康被害の歴史

カネミ油症事件

1968年、食用油の製造過程に脱臭のために熱媒体として使用されていたPCBが配管漏れによって混入。西日本を中心とした広域に、この汚染された食用油を摂取した人々に色素沈着等の皮膚疾患、頭痛、手足のしびれ、肝機能障害、全身倦怠感、しびれ感、食欲不振など多様の健康被害が発生。長きにわたって後遺症に苦しむという事件がありました。

カネミ油症事件、脱臭缶内のPCB汚染過程

➀未脱臭の粗製ライスオイルを脱臭缶内の容器へ注入。
➁250℃以上のPCBを缶内に注入。PCBはコイル状の蛇管を循環、真下にあるパイプから再び缶外へ。これにより、内部の容器内に満たされたライスオイルは加熱されて200℃以上の温度になる。
➂同時に粗製ライスオイルの容器の下部から上部に向けてスチーム(蒸気)を放出、加熱された粗製油を攪拌する。その際、飛沫や泡が容器の上部へ蒸発
④蒸発した飛沫や泡は陣笠型のバッフル(防止板)に当たって全体容器の下部へ溜まる。
➄脱臭作業終了後に下部にある取出し出口より飛沫油(ダーク油)を排出。鶏の配合飼料に使用。PCBの漏出と混入により汚染された飛沫油を含んだ配合飼料を摂取した鶏の大量死が発生(ダーク油事件)。
⑥加熱され、脱臭済みのライスオイルを脱臭作業終了後に取り出す。食用油として市場へ。西日本を中心に、PCBの漏出と混入により汚染されたライスオイルを摂取した人々に大量の健康被害が発生。

PCB廃棄物の分類

PCBが使用された製品の廃棄物は、PCB濃度により高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類されます
高濃度PCB廃棄物はPCB濃度が0.5%(=5000ppm)を超えるものとなります。

PCBについて法令・条例で定められる対応

電気事業法における届出

使用中の変圧器・安定機など電気工作物に高濃度PCBが含有していることが判明した際には「設置等届出書」を提出が必要。
現在使用中の製品等で廃棄をしない場合は「管理状況届出」を毎年6月には提出しなければなりません。

*高濃度PCBを廃棄する際には、PCB廃棄物の処理施設を管理しているは中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)へ登録し、処理を依頼する必要があります。電気事業法と合わせて登録をしておくことをお勧めします。

PCB特別措置法

事業活動に伴ってPCB廃棄物を保管している事業者へ適用される法律になります。
PCB特別措置法はPCB廃棄物の適切な処理を推進することを目的としています。PCBを含有している製品について、すでに使用を中止しているもの(廃棄物)について登録及び処分が必要です。
処分については、期限が設けられており、使用中の製品であっても期限内に廃止及び交換することを求められます。

*行政からも必要な措置を取るように命じられます。
命令に違反した場合、3年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金となります。

土壌汚染対策法

土壌汚染対策法では第3種特定有害物質に該当し、PCBが基準を超過している場合には、汚染土壌として適切な処分が必要です。PCBは絶縁油として変圧器などに使用されています。
土壌汚染対策法では、敷地内に変圧器があった場合、密閉された容器に封入されていると考えられ、調査の対象として見られないケースが多いです。
ただし、過去に漏洩事故の履歴があった場合や、既設の変圧器から漏洩の跡がある場合には調査を義務付けられます。

義務調査で汚染が見つかった場合には、要措置区域や形質変更時要届け出区域など区域指定を受けることになります。
要措置区域となった場合には、健康被害にならないような対策が必要です。

土地売買などを契機として自主的に土壌汚染調査を行なう場合、変圧器が敷地内に設置されている場合には、PCBの危険性やPCBによる土壌汚染が存在していた場合の健康被害の大きさを考慮し調査対象とするケースが多くあります。

PCB汚染土壌は、土壌汚染対策法に基づいて適切に処分する必要があります。

ダイオキシン類対策特別措置法

PCBにはコプラナーPCB(Co-PCB)と言われる種類があり、ダイオキシンと類似する性質を持つものがあります。そのため、ダイオキシンと同等の毒性を有しているとされています。ダイオキシンと同様に土壌汚染として基準を満たさなければ、措置を命じられます。
Co-PCBの調査方法はダイオキシン調査と同様に、土壌を採取し、土壌中の濃度を把握することになります。

基準を超えてダイオキシンが検出された場合は、行政指導の管理下による対策が必要です。

高濃度PCB廃棄物処分の期限(地域別)

事業エリア/処分対象 安定器及び汚染物等 変圧器・コンデンサー
北海道(室蘭)
事業エリア
北海道、青森県、岩手県、秋田県、宮城県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、富山県、石川県、福井県、山梨県、長野県 令和5年3月31日まで 令和4年3月31日まで
東京事業
エリア
埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県 令和4年3月31日まで
豊田事業
エリア
岐阜県、静岡県、愛知県、三重県 令和3年3月31日まで 令和4年3月31日まで
大阪事業
エリア
滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県 令和3年3月31日まで
北九州事業
エリア
鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 (終了)

出典:環境省 PCB早期処理情報サイト

PCBの調査方法

PCBの調査方法の1つめは、PCBの使用可能性がある電気機器の銘板に記載された製造年、メンテナンスの実施履歴等を確認することでPCB汚染の可能性を確認します。2つめの方法、PCB濃度を測定するPCB調査方法で、下記の製造年よりも前に製造された電気機器については、実際に電気機器から絶縁油を採取して PCB濃度を測定し、PCB汚染の有無を判別します

高濃度PCB含有製品の場合

昭和28年(1953年)から昭和47年(1972年)の間で国内製造されたコンデンサやトランスなど変圧器や蛍光灯の安定器にはPCBが使用されたものがあります。機器に取り付けられた銘板を確認することにより、PCB使用機器に該当するか判定します。

参照:一般社団法人日本照明工業会、確認の流れ

低濃度PCB含有製品の場合

数万件に及ぶ事例から、国内メーカーが平成2年(1990年)頃までに製造された電気機器類には、PCBを含有している可能性があるとされています。絶縁油の入替ができないコンデンサーでは、平成3年(1991年)以降に製造されたものはPCB汚染の可能性はないとされています。

また変圧器のように絶縁油に係るメンテナンスが可能である電気機器では、平成6年(1994年)以降に出荷された機器で、絶縁油の入替や絶縁油に係るメンテナンスが行われていないことが確認できればPCB汚染の可能性はないとされています。

銘板が不明な場合は、絶縁油にPCBが含有しているかを調査する必要があります。

絶縁油中のPCB調査(含有量)

変圧器などに含まれる絶縁油のPCBの含有量を調査する場合は、変圧器内部にある絶縁油をスポイトで採取し、分析を行ない、PCBが含有されているかどうかを判断します。 

土壌中のPCB調査(溶出量)

土壌汚染調査では、表層土や被覆下から50㎝の土壌を採取し、土壌からPCBが溶出していないかを判断します。

廃棄物のPCB調査(含有量)

廃棄物調査では、木くずや汚泥、金属、ガレキ類などによって調査方法が異なります。基本的には変圧器などが設置・保管されていた場所や漏洩等の跡が見られた場所の試料を採取し、分析を行います。

PCBが検出された場合と処分について

絶縁油・廃棄物の場合

PCBが基準値以内(分析結果が0.5mg/kg(ppm)以下)

通常の廃棄物として処分が可能です。

PCBが基準値を超過 0.5mg/kg~5000mg/kg

低濃度(微量)PCB廃棄物として、届出・保管・処分が必要となります。
低濃度PCB廃棄物の処分を行えるのは、国が定めたPCB無害化処理認定事業者や都道府県知事等が許可する施設に限ります。

PCBが基準値を超過5000mg/kg以上

高濃度PCB含有製品に該当する場合、JESCOへの登録及び処理の依頼が必要となります。
高濃度PCB廃棄物として、届出・保管・処分が必要となります。
JESCOに処分を委託することになります。

PCB含有廃棄物の分類と処理施設

分類と処理施設

土壌の場合

PCBが基準値以内(分析結果≦0.0005mg/L以下)

PCBについては土壌汚染無しと判断されます。
その他の項目についても基準を満たしていれば、土壌として廃棄が可能です。

PCBが基準値を超えた場合(分析結果>0.0005mg/L)

PCBによる汚染土壌として処分が必要です。

PCBの保管について

PCB廃棄物の処分を行うまでは以下の適切な保管が必要です。

室内等囲いが設けられた施設への保管
PCB含有製品であることの明示
PCBを保管していることを明示する掲示板の設置
飛散、流出、地下浸透を防ぐ措置

保管の様子

負担軽減制度

PCB廃棄物処理促進のため軽減制度があります。

  • 中小規模事業者は条件に合えば70%軽減
  • 個人の場合、95%軽減(処理委託契約時)

 (*運搬については軽減されません。)

もりかみ

ジオリゾームは、「土壌中のPCB調査」はもちろん、「絶縁油中のPCB調査」、「廃棄物中のPCB調査」の全てのPCB調査に対応しております。
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