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土壌汚染調査の株式会社ジオリゾーム

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プラスチック
つっちー

プラスチック製造では、どんな土壌汚染の可能性があるんですか?

さえき

ウレタンフォームの発泡剤としてのジクロロメタン、安定剤としての、樹脂めっきで使用される六価クロムフッ素樹脂、繊維強化として使用されるほう素などがあげられます。

プラスチックは、合成樹脂を基にした有機化合物で、軽量で耐久性があり、成形が容易な特性を持っています。主に石油由来の原料から製造され、さまざまな用途に利用されています。

プラスチックの種類と、プラスチック製造で使用される可能性のある土壌汚染物質についてみていきます。

プラスチック

プラスチック(合成樹脂)とは

樹脂とは

樹脂とは、本来、樹液を固めた素材のことです。しかし、樹液は採れる量が少なく高価であったことから、石油などから樹脂を人工的に作るようになり、現在ではそういったものも樹脂と呼ぶようになっています。
樹脂は天然樹脂合成樹脂に分けられ、さらに合成樹脂のなかでも熱を加えた時の性質から、大きく熱可塑性樹脂(プラスチック)熱硬化性樹脂(プラスチック)に分類されます。さらに素材となる樹脂の原料の種類や重合方法などにより、様々な種類に分類されます。

​樹脂の分類

天然樹脂とは

植物や動物、鉱石などから作られる樹脂のこと。植物由来では、漆(うるし)、膠(にかわ)、松脂(まつやに)、動物由来では、ゼラチンや卵白、鉱物由来では、タールやアスファルト。宝石としてもよく使われる琥珀は天然樹脂が化石化したもの。

合成樹脂とは

人工的に作られた樹脂のこと。一般的に「プラスチック」と呼ばています。石油に含まれるナフサを人工的に加工して合成樹脂を作り出します。人工的に作り出せるため大量生産が可能で、天然樹脂よりも安価で利用可能です。また、加工しやすく、日用品から工業用品まで幅広く使用されています。

汎用プラスチック とは

プラスチックの中でも約 8 割を占める一般的な熱可塑性樹脂のプラスチックで、100℃未満で変形が始まるプラスチックのことです。生活用品や工業製品などに大量に使われています。プラスチックの中では、価格的に安価であり、加工性が良く、量産性があります。
また汎用プラスチックの中で、5 大汎用プラスチックと世の中で多く呼ばれるプラスチックがあります。

  • 低密度ポリエチレン(LDPE)
  • 高密度ポリエチレン(HDPE)
  • ポリプロピレン(PP)
  • ポリ塩化ビニル(PVC)
  • ポリスチレン(PS)

上記 5 大汎用プラスチックの分類方法が一般的とは言われていますが、その他の分類方法説もあり、高密度ポリスチレンと低密度ポリエチレンを 1 つにまとめて、ABS 樹脂を 5 大汎用プラスチックに加える説もあります。
必ずといって分類に決まりがあるわけではない実情です。

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)とは

エンジニアリングプラスチックとは、耐熱性や強度が求められる場面でも柔軟に利用できるように改良されたプラスチックを意味しており、略してエンプラと呼ばれます。

エンジニアリングプラスチックの特徴は、高温の過酷な工業的環境下でも耐えられる強度にあります。金属の代用として使われる一方、金属と比較して低コストかつ軽量であることがメリットです。
通常のプラスチックと比較して、エンジニアリングプラスチックには機械的強度や耐熱性(100℃以上)があります

エンジニアリングプラスチックが開発された背景には、1960 年代の世界的な工業生産の発達があります。大量生産が求められるようになり、金属よりも軽く、加工が簡単な素材のニーズが高まったため、高強度のプラスチック開発が行われました。

プラスチックの種類

プラスチックの中でも約 8 割を占める一般的な熱可塑性樹脂のプラスチックについて、具体的にどんな種類があるのか見てみたいと思います。

汎用プラスチック

ポリエチレン(低濃度ポリエチレン・高濃度ポリエチレン)【PE】

性質:油や薬品に強く、加工しやすい。燃もえやすく、水に浮く 
主な使い道:容器類、レジ袋、ラップ、バケツ 

ポリエチレン(EVA樹脂)【EVAC】

性質:軽量で弾力性があり、耐薬品性や耐衝撃性に優れている
主な使い道:住宅製品、日用品、スポーツ用品、梱包、建築部材など

ポリプロピレン 【PP】

性質:熱に強く、100℃でも変形しない。水に浮く 
主な使い道:容器・包装、ストロー、医療器具、自動車、家電の部品 

塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル)【PVC】

性質:薬品に強く燃えにくい。水に沈む 
主な使い道:シート、消しゴム、ホース、水道管、電線被覆 

ポリスチレン(スチロール樹脂) (ポリスチレン ・発泡ポリスチレン )【PS】

性質: 極めて軽量。発泡させやすい
主な使い道:建材ボードや、カップ麺容器、総菜の容器 

AS樹脂【SAN】

性質:透明。きずつきにくい
主な使い道:調味料容器、使い捨すてライター、電気製品 

ABS樹脂【ABS】

性質:不透明。割れにくい。熱に強い 
主な使い道:旅行用トランク、家具、パソコン 

ポリエチレンテレフタレート(PET 樹脂)【PET】

性質:軽い。成型しやすい
主な使い道: ペットボトル、卵パック、スイッチ 

メタクリル樹脂(アクリル樹脂)【PMMA】

性質:うすい透明な板をつくりやすい。水に沈む。 
主な使い道:水槽、定規、コンタクトレンズ 

ポリビニルアルコール【PVAL】

性質:水溶性の合成樹脂
主な使い道:接着剤、バインダー、コーティング剤、増粘剤、分散剤、フィルム形成剤、光沢剤 

塩化ビニリデン樹脂(ポリ塩化ビニリデン)【PVDC】

性質:酸素と水蒸気(水分)の両方を非常に通しにくい 
主な使い道:単体で使用される例はほとんどない。 

エンジニアリングプラスチック(エンプラ)

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ポリカーボネート【PC 】

性質:透明。割れにくい。熱に強い
主な使い道:CD、携帯電話、ノートパソコン、カーポートなど

ポリアミド(ナイロン)【PA 】

性質:じょうぶ。酸素を通しにくい
主な使い道:ファスナー、レトルト、食品の袋ふくろ、自動車部品、つり糸など

アセタール樹脂(ポリアセタール)【POM】

性質:耐摩耗性や機械的特性に優れている
主な使い道:ドアハンドル、配管継手
部品ギア、軸受、ベアリング、カム、ブッシュ、プーリ、スイッチなど

ポリプチレンテレフタレート(PBT 樹脂)【PBT】

性質:機械的特性に優れる、電気的性質に優れる
主な使い道:コネコタ、蛍光灯口金、ソケット、コピー機部品

フッ素樹脂【PTEE】

性質:耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性、非粘着性、絶縁性、耐候性
主な使い道:フライパンなどの調理器具
や金属部品にコーティングしたり、半導体、自動車、産業機械などに使用

※熱可塑性プラスチックの他に、熱硬化性プラスチックがある

つっちー

一口に、「プラスチック」といっても、本当に様々な種類のプラスチックがあることが分かりました。ここからは製造過程でどんな物質が使われるのかを見ていきたいと思います。

プラスチック製品の製造工程で使用される土壌汚染物質は?

平成 17 年度の化管法届出対象化学物質の業種別排出量集計から、プラスチック製品製造業の大気排出量の多い対象化学物質をご紹介します。太文字が土壌汚染対策法に該当する特定有害物質です。

平成 17 年度プラスチック製品製造業における大気排出量報告値(プラスチック工業連盟資料)
管理物質名 別名(または例) 大気排出量(トン/年)
トルエン トルオール 20,605
塩化メチレン ジクロロメタン、メチレンクロライド(メチクロ)、二塩化メチレン 2,571
N,N’-ジメチルホルムアミド ホルミルジメチルアミン、DMF、DMFA 1,981
キシレン キシロール、ジメチルベンゼン 1,716
塩化メチル クロロメタン、メチルクロライド 1,526

このうち、排出量の最も多いトルエンは、溶解力が非常に強く、様々なもの(塗料、接着剤、ゴム、インク、油など)を溶かせるため、種々の溶媒として用いられてきました(但し水には溶けにくいです)。
例えば、塗料を希釈するためのシンナーの原料として、接着剤の粘度を落とすための希釈剤として、など幅広く使用されています。トルエンは、土壌汚染対策法で定められている特定有害物質ではありません。

塩化メチレン(ジクロロメタン)

第二位の塩化メチレン(以下、ジクロロメタンと表記)は、その大半がポリウレタンフォームの製造工程から排出されています。土壌汚染対策法の特定有害物質に該当します
塩化メチレンとは、天然ガス、塩素ガス、メタノール、塩酸を原料として、独自の製造技術と高度な精製技術に加え、独自開発した特殊安定剤により製造される高品質・高安定の実用上不燃性で、強力な溶解力と高い安定性を持つ有機溶剤です。
樹脂製造溶剤、塗料剥離剤など、さまざまな用途で幅広く使用されています。
さらに、沸点が低いという特長から、熱に敏感な有機中間体の製造溶媒・抽出剤としても適しています。

 

 

主な特長

  • 溶剤として非常に溶解力が高い
  • 各種反応原料として広い用途を有する
  • 各種反応溶媒に利用すると、収率向上などの効果が期待できる
  • 沸点が低いため、低温抽出溶剤として利用可能

その他のプラスチック製造の際に関わりのある特定有害物質

ベンゼン

プラスチックを作る際の原料として使われています。

鉛(二酸化鉛)

鉛(二酸化鉛)は、プラスチック製造の際の硬化剤、安定剤として使われています。

プラスチック製品で「鉛が?」「どこで使うの?」という疑問があるかと思います。
実はプラスチックの製造過程の成型や長時間使用の劣化を防止するための安定剤として鉛が使用されることがあります。ですが、近年では鉛には毒性がみられるとのことで、スズを主成分とした安定剤に切り替えて使用しているものが多くなっているようです。
ほかには着色されているプラスチック製品、例えばレジ袋などでも、着色料として鉛を含んでいるものがあります。

六価クロム化合物

樹脂めっき製品は現在、自動車、住宅建築、水洗製品、家電製品、電磁波シールドなどの外装分野で幅広く使用されています。樹脂表面のエッチングは樹脂と金属めっき箔の密度強度を得るために不可欠な操作で、長い間、発がん性の高い六価クロム酸/硫酸系混合水溶液が採用されています。

上述のように、六価クロムの使用は発がん性物質であり、深刻な環境汚染を引き起こすので、代替のものを使用する試みがなされていますが、成功には至っていないのが現状です。
※六価クロムの使用は、2007 年の欧州廃車(ELV)指令や RoHS 指令として厳しく制限されている。

フッ素

フッ素樹脂は、プラスチックの一種です。
その名前のとおり、フッ素という元素を含ふくんでいるプラスチックを「フッ素樹脂」といいます。
フッ素樹脂は一つではなく、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)や PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)など 9 つの種類があります。
フッ素樹脂が発明されたのは 1938 年のことです。熱に強い(耐熱性)、寒さに強い(耐寒性)、よくすべる、薬品に強い、電気を通さないなどさまざまな特徴があり、その特徴を利用して、私わたしたちのまわりのさまざまな製品に使われていますが、特定有害物質に指定されており、使用時に注意が必要です。

ほう素

ほう素の主な用途は住宅用の断熱材や強化プラスチックに使うガラス繊維の原料が最も多いですが、重クロム酸アンモニウムなどが有機合成の酸化剤として使われています。
ほう酸化合物の用途で、最終製品として最も多いのがガラス繊維で、ついでホウケイ酸ガラスです。ガラス繊維の長繊維のものは、FRP(繊維強化プラスチック)などになり、短繊維のものは、グラスウールとして断熱
材や吸音材に使用されています。ホウケイ酸ガラスは熱衝撃に強く、一般にはパイレックスや硬質ガラスと呼ばれています。

もりかみ
以上、プラスチックの製造工程で考えられる土壌汚染物質について、みてきました。
まとめると、以下のようになります。
プラスチック製造における汚染のおそれと原因物質 まとめ

  • ジクロロメタン(塩化メチレン):ポリウレタンフォームの発泡剤、溶媒
  • ベンゼン:プラスチックを作るさいの原料
  • 鉛(二酸化鉛):プラスチック製造の際の硬化剤、安定剤、着色料
  • 六価クロム化合物:樹脂めっき
  • ふっ素:フッ素樹脂
  • ほう素:強化プラスチックに使うガラス繊維の原料

土壌汚染調査の義務調査について調査の流れや内容を詳しくまとめた無料冊子ができました

つっちー

プラスチック製造といっても、種類が様々なので、そこで可能性のある土壌汚染物質も色々で。汗。。どうぞ、ご質問はお気軽に

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