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土壌汚染調査の株式会社ジオリゾーム

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つっちー

合成ゴム製造の製造では、どんな土壌汚染の可能性があるんですか?

もりかみ

合成ゴム製造では、原料となるベンゼンや、促進剤としてのチウラム、添加材のホウ素などが上げられます。

合成ゴム製造工場で使用される土壌汚染物質について詳しく見ていきたいと思います。

合成ゴム製造工場の多くは特定施設が設置されているため、義務調査になるケースがほとんどです。義務調査の契機と流れについて詳しくまとめた冊子ができましたご参考になさってください。

合成ゴム製造の製造工程

下は合成ゴムの製造に必要な原料がどのように流れていくかを示した図です。
ベンゼンをエチレンでアルキル化することによってエチルベンゼンとし、これを脱水素してスチレンとして、ブタジエンと共重合させると SBR ができます。プロピレンはアンモオキシデーションでアクリロニトリルとし、ブタジエンと共重合させると NBR が得られます。

ブタジエンは C4 留分から分離し、SBR、NBR に利用する他に、そのまま重合してBR にしたり、塩素と反応させてクロロプレンにし、CR を作るのに用いられ、イソブチレンは IIR に、また、イソプレン合成の主原料にもなる。 C5 留分中のイソプレンは分離精製されて IR、IIR にと利用され、ジシクロペンタジエンはそのまま、あるいは、ブタジエンと反応させた後 エチリデンルボルネンとしてエチレン、プロピレンと共重合すると EPDM が得られます。

合成ゴムの種類とその用途

EPDM ・・・エチレンプロピレンジエンゴム

耐候性や耐オゾン性に優れており、屋外でもよく使用されます。例えば電線等に使用されています。
逆に耐油性には劣るため、油が付く環境での使用には向きません。

SBR ・・・スチレン・ブタジエンゴム

天然ゴムに近い性質をもち、低価格なので合成ゴムの中でも最も多量に生産・消費されています。品質も安定しており、異物が少ないです。

NBR ・・・アクリロニトリル・ブタジエンゴム

耐油性、耐熱性、耐摩耗性等に優れています。特に耐油性に優れており、その特性を利用して多くの工業用品・自動車部品に使用されています。

BR ・・・ブタジエンゴム

スチレンブタジエンゴム(SBR)と天然ゴム(NR)とならぶ代表的な汎用ゴムです。特性は、SBR と類似してますが、SBR、NR と比較して、耐磨耗性、反発弾性、耐老化性が優れ、また、低発熱性と低温特性も優れています。用途としては、タイヤ、ベルト、ホースなどに単独、または、SBR、NR などとブレンドされて使用されています。ただ、耐油性が、天然ゴム(NR)と同様悪いので、シールパッキン材料としては、あまり使われていません。

CR ・・・クロロプレンゴム

耐熱性、耐候性、耐オゾン性、耐炎性をはじめ、耐油性、耐化学薬品性などトータルバランスの優れたゴムです。1930 年代に開発されたもっとも古い歴史を持つ合成ゴムで、乳化重合で合成されます。苛酷な使用条件を要求される工業用品や、各種自動車部品等に広く理由されています。

IIR ・・・ブチルゴム

イソブチルとイソプレンの共重合体です。耐熱、耐寒、耐候性に優れ、リン酸エステル系の油、水、薬品にも良好な耐性をもっています。しかし、鉱油系の油に対しては、耐性がなく、金属との接着性に劣り、圧縮永久ひずみが悪いため、シール材料としては、あまり使用されない傾向にあります。逆に、ガスの透過性が低く、電気特性が良いため、タイヤのインナーチューブや電線被覆などでは、使用されることが多くなっています。

IR ・・・イソプレンゴム

天然ゴムと構造が似ており天然ゴムの代用品として幅広く使用されています。天然ゴムと比較し振動吸収性や電気特性が優れていること、透明で色調が明るく匂いも少ないこと、機械的強度が大きく、物性バランスにも優れていること、価格も安定しているなどの特徴があります。弾性・耐磨耗性などに優れているので、タイヤ・ベルト、ホース・靴底などに使用されています。

つっちー

一口に、「ゴム」といっても、本当に様々な種類のゴムがあることが分かりました。ここからは製造過程でどんな物質が使われるのかを見ていきたいと思います。

ゴム製品製造工程で使用する指定化学物質とその用途

ゴム製品の製造工程で使用する物質について、まとめたものをご紹介いたします。
太文字が土壌汚染対策法に該当する特定有害物質です。

政令番号 第1種指定化学物質 用途
9 アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル) 可塑剤
13 2,2′-アゾビスイソブチロニトリル 発泡剤・開始剤
25 アンチモン及びその化合物 難燃剤,顔料
32 2-イミダゾリジンチオン 加硫促進剤
60 カドミウム及びその化合物 顔料
63 キシレン 溶剤
68 クロム及び 3 価クロム化合物 顔料
69 6 価クロム化合物 メッキ・顔料
100 コバルト及びその化合物  顔料
115 N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド 加硫促進剤
145 ジクロロメタン 溶剤
159 ジフェニルアミン 老化防止剤
176 有機スズ化合物 触媒
198 ヘキサメチレンテトラミン 加硫促進剤
204 テトラメチルチウラムジスルフィド ※1 加硫促進剤
227 トルエン 溶剤
230 鉛及びその化合物 安定剤・活性剤・顔料
232 ニッケル化合物 老化防止剤
249 ビス(N,N-ジメチルジチオカルバミン酸)亜鉛 加硫促進剤
270 フタル酸ジ-n-ブチル 可塑剤
272 フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)  可塑剤
282 N-(tert-ブチル)-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド 加硫促進剤
310 ホルムアルデヒド 架橋剤
311 マンガン及びその化合物 顔料
312 無水フタル酸 加硫遅延剤

チラウム…チウラム系促進剤は酸性の超促進剤であり、ジチオカルバメート系よりは安全性が高く、加硫の開始が遅い。チウラム系促進剤は、一般的に、天然ゴム,合成ゴムの二次促進剤として広範囲に用いられています。また、多硫化チウラムは、無硫黄加硫剤としても働きます。

フッ素…フッ素ゴムは、他の合成ゴムに比べ、卓越した耐熱性・耐油性・耐薬品性を有したゴムです。
これは共重合組成に非常に強固なC-F結合(フッ素結合)を持つ為です。他の合成ゴムに多く見られる C-H結合では結合力に劣りこの性能を実現出来ません。この C-F 結合こそがフッ素ゴムに卓越した耐熱性・耐油性・耐薬品性を与えるものなのです。
ホウ素…ホウ素は添加材(ホウ素ポリマーを合成)等として使用されています。

合成ゴム製造工場の多くは特定施設が設置されているため、義務調査になるケースがほとんどです。義務調査の契機と流れについて詳しくまとめた冊子ができましたご参考になさってください。