お電話での調査のお問合せで、土地売買で買主さんから言われて土壌汚染調査をする必要があるのでフェーズ1の地歴調査をお願いしたいというお話をよく受けます。
土地の売買においての調査ではフェーズ1(地歴調査)とフェーズ2(土壌を採取分析する調査)のどちらがいいのでしょうか。
地歴調査(フェーズ1」と土壌汚染調査(フェーズ2)
土壌汚染の調査にはフェーズ1と言われるものとフェーズ2と言われるものがあります。
フェーズ1調査とはいわゆる地歴調査のことで、対象地の住宅地図等の資料を集め、机上で汚染のおそれを定性的に判断する調査になります。
※定性的:この場合、例えば調査で「対象地には有害物質を使用した工場が長年にわたり稼働していたので、汚染のおそれが充分ある」という質的な分析結果を指します。
一方、フェーズ2とは実際に対象地の土壌試料を採取し、分析を行って汚染のおそれを定量的に判断する調査になります。
※定量的:この場合、調査で検出された有害物質の具体的な量の数値を、環境基準値と照らし合わせた、汚染のおそれの量的な分析結果を指します。
どちらの調査をすべき?
義務調査のケース
対象地で特定施設があり特定有害物質を使用していた場合や、3000㎡以上の土地の改変を行うような場合は行政から土壌汚染調査をするように言われた。
その場合はフェーズ1、フェーズ2の両方の調査が必要になります。
特に義務調査で工場等の場合は、フェーズ1で、特定施設の位置や使用場所だけでなく排水経路、物質の保管場所なども、詳しく調査します。その情報をもとに、「汚染のおそれの区分図」というこの場所は汚染の可能性が高い、低いと、汚染の可能性を色分けしたMAPを作成します。その区分図をもとに、調査地点数などを決めて調査していきます。
義務調査の範囲って、どこまでなんですか?とよく聞きかれることがあります。
法3条で、工場や事業所を廃止される場合は、工場や事業所の敷地全体が対象となります。法4条で、土地の改変をされる場合は、改変される範囲が対象になります(工場等の敷地の一部を改変される場合は、フェーズ1調査では、「おそれの区分図」を作成する必要があるため改変範囲と一体となっている敷地全体を行なうことが多いです。)
敷地外の周辺の工場まで調べるということはありませんので、ご安心下さい。
自主調査のケース
しかし、行政から義務で土壌汚染調査をしなさいと言われない自主的な調査の場合は、調査方法に特に決まりはありません。
あくまでも買主の方が納得できる方法で調査を行うということが基本となります。
そのため、住宅地図等の資料から汚染のおそれを定性的に判断した報告書よりも、実際に対象地の土壌を採取し汚染のおそれを定量的に判断した報告書の方が、買主の方も汚染の有無がはっきり確認できるため、納得がしやすい傾向にあります。
ジオリゾームとしてもフェーズ2調査を推奨させていただいております。
不動産・土地売買の際の、土壌汚染調査は一体何のためにするのか、ということを考えると、取引や契約を成立させるためにも、買主の方に納得してもらえるかということが大きいですので、買主の方目線で考えた場合、どちらの調査を行えば、より買主の方が納得してくれるかどうかについて判断がしやすいと思います。
買主の方から土壌汚染調査をしてほしいと言われたら、どのような調査をしてほしいのかをきちんと把握しておくことが重要になります。
「土壌汚染調査のこともわからないのにそんな話はできない!」という場合は、ジオリゾームのスタッフが買主の方に聞き取りをすることによって、買主の方が納得できる調査方法をご提案することもさせていただいております。
土壌汚染のことで不明な点がございましたら、ジオリゾームへお気軽にお問合せ下さい。
森上
■関連■
*業務時間外は、直接担当者に繋がります。