病院やクリニック、歯科や眼科など皆さんのお宅のご近所にも医療を生業とされている医院があるかと思います。私も歯科には数年に一度お世話になります。病院やクリニック、眼科では年数回お世話になってますね。コンタクトをしなくなったので、眼科にお世話になる回数はずいぶんと減りましたね。
さて、何かあった時にはすぐにでも駆け込みたい病院やクリニックですが、土壌汚染調査をすると特定有害物質が基準値を超えている状態、つまり土壌汚染がみつかるケースがあります。(旧岡山市民病院土壌汚染対策 kyoto-seikei 様参照)病院等の医療業界では様々な薬品や医療器具を使われているため、そこに含まれていた汚染物質が土壌を汚染してしまっているのです。
■水銀 医療業界で最も懸念される汚染物質としては水銀が挙げられます。水銀は第2種特定有害物質に指定されており、水銀体温計や水銀血圧計などに使用されています。これらは医療業界の中では使用されているイメージが湧きやすいのではないでしょうか。現在では電子式や着色されたアルコールを用いた体温計の方が多く使用されているかと思いますが、今でも水銀式の器具を使用されている病院も多くあると思います。
また他にもアマルガムという銀・スズ・銅・亜鉛、水銀などが含まれる合金なども、虫歯の治療に使われています(医療法人社団銀座清河会 銀座池渕歯科 参照)。徐々にアマルガムを使用している歯科が減ってきていると言われていますが、健康保険の適用となっているそうです。少し話がそれてしまいましたが、医療業では水銀を含む器具などは多く扱われています。
関連ページ
・土壌汚染物質>水銀及びその化合物
・土壌汚染物質>種類と基準値
■ヒ素・ホウ素 ヒ素は医療器具というより、薬品の成分としてふくまれています。農薬や殺虫剤なんかに含まれていることが多いのですが、医療業界では歯科医療に使われています。歯科治療を行う際に、痛みを伴う場合には麻酔を使い治療を施しますが、アレルギーなどで麻酔が使用できない場合や効かない場合、痛みが感じぬよう神経を殺しておく治療の薬品に使用されることがあったり、医薬品の原料として含まれていることがあるそうです。ホウ素はがん治療に用いられることがあり、これも医薬品の一部として取り扱われています。ホウ素を使用した医薬品や治療方法の認可は2000年代以降に進められているようです。
関連ページ
・土壌汚染物質>砒素及びその化合物、ほう素及びその化合物
・土壌汚染物質>種類と基準値
ここまでどのような有害物質が医療業界で使用されているのかを紹介いたしましたが、ではそこから土壌汚染につながる経路についてお話いたします。 一番耳にしたり、目にしたりすることが多い案件として、不法投棄です。現在では医療廃棄物は管理や規制が厳しくなっていますが、過去には注射針や割れた体温計などを病院の敷地内に埋めてしまっていたケースがあるようです。病院の敷地内や跡地なんかを造成したりする際には、大量の医療廃棄物が出てくることがあると聞いたことがあります。その廃棄物の中に、水銀を含むものや、ヒ素やホウ素を含むものがあると、当然土壌に付着してしまいますので、土壌汚染となってしまいます。
不法投棄以外では、下水や排水に混じってしまったものが、桝や槽から漏洩して土壌汚染となってしまうケースが考えられます。水に溶けてしまったものは、広がりやすく汚染範囲が広がりやすくなってしまいます。
このような土壌汚染を防ぐには、廃棄物の適切な処理が必要です。大きな病院の場合、敷地内にて新設増築等を行う場合に事前に土壌汚染調査を行うことをお勧めいたします。土壌汚染は目に見えないところで拡散してしまっている場合があり、一度汚染が拡散してしまうと人工的に対策を行わない限り、汚染物質はその場にとどまり続けます。健康を守るべき場所が土壌汚染を引き起こし、健康被害を起こすようだと本末転倒ですよね。
土壌汚染調査の際に、わからないこと、知りたいこと、調査期間や調査費用など、どんな些細なことでも構いません。是非ジオリゾームにご相談下さい。
森上
こちらのページもご参照ください。
・土壌汚染物質:業種から物質検索
・土壌汚染物質:土壌汚染物質の用途
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