鉛及びその化合物とは?
環境基準等
○土壌溶出量基準: 0.01mg/L 以下
○土壌含有量基準: 150mg/kg 以下
○地下水環境基準: 0.01mg/L 以下
特徴・用途
鉛は、鉄に比べて1.4倍重い元素で、青みを帯びた白色または銀灰色の光沢をもつ金属ですが、空気にふれると酸化されて鉛色に変色します。比較的柔らかく、加工が容易なため、古代エジプトやローマ時代から利用されています。また、その毒性も古くから知られ、紀元前370年ごろに、金属精錬作業者の腹痛の原因が鉛中毒であることが指摘されています。
鉛は、主にバッテリー(蓄電池)の電極として使われています。バッテリーは、鉛と希硫酸の化学反応を利用して充電や放電を行います。この他、はんだの原料としても使われています。はんだは、鉛とスズの合金で、電子部品の接続材料の主流を占めています。
また、狩猟の弾丸や釣りの錘にも一部使われており、野生生物への影響が問題となっています。なお、かつてはノッキングを起こりにくくするために、自動車のガソリンに鉛の化合物が添加されていましたが、現在ではレギュラーガソリン、ハイオクガソリンとも鉛の添加は禁止されています。
鉛の代表的な化合物とその用途としては、以下のようなものがあります。
・一酸化鉛:屈折率を高めるためにガラスに加えられ、その含有率が24%以上のものはクリスタルガラスと呼ばれています。この他、蛍光灯やテレビのブラウン管、塩化ビニル樹脂の安定剤の原料などに使われています。
・二酸化鉛:バッテリーの電極に使われるほか、サッシ用パテや建築用シーリング剤に利用されるプラスチックを製造する際の硬化剤としても使われます。
・硝酸鉛:マッチや爆薬の原料として使われます。
環境中での動き
大気中では主に粒子で存在し、風や雨とともに地表に降下すると考えられます。鉛の粒子は非常に小さいため、遠くまで運ばれることが報告されています。
河川では、鉛やその化合物の多くは水に溶けにくく、主に水中の粒子などに吸着した形で存在していると考えられます。土壌中の鉛は、鉱物表面や土壌中の有機物に吸着するため、地下水への移動はほとんど起こらないと考えられていますが、鉛が吸着した土壌粒子が浸食されることによって、河川などに移動する可能性があります。水や大気中から検出される鉛には、人為的な排出のほかに地質に起因するものがあります。
以上が弊社のホームページに記載されている鉛及びその化合物に関する情報です。
鉛に関しては、お客様からよく自然に存在するものですよねと質問をいただきます。
まさにその通りで鉛は古くから人類になくてはならない大切な資源として使われながらも毒性があるものとしても知られています。
この鉛に限らず、そのほかの土壌汚染対策法で指定されている特定有害物質は人間の生活に密接にかかわっている、かかわっていたものが多くあります。
改めて、この有害物質とは何か、土壌汚染とは何かということを知って、豊かな社会づくりをしなければならないと感じています。
大阪営業所 Y
~~~~2024年12月更新~~~~~
こんにちは。ジオリゾームの瀬戸です。
今回は鉛に関する情報を追記したいと思います。まず、鉛はどのようなもので使用されているか?という情報をいくつかピックアップし上げさせていただきます。
【鉛の用途】
ガソリン:1980年以前に流通しているガソリンには鉛が含まれていた。現在は規制により無鉛ガソリンが流通している。
バッテリー:主に鉛の電極部分に使用されている。鉛が安価で手に入れやすいことから多く流通していた。自動車のバッテリーなど。
塗料:塗装のさび止めの役割として塗料に混ぜて使用。安価であることから多く流通していた。
その他:レントゲン、鉛はんだ、鉛ガラス…
などが挙げられています。工業製品における鉛の用途は多くあり、様々な製品に含有していますが、ではなぜ鉛が「特定有害物質」に該当するのか?という疑問が生まれると思います。そのため、実際に「鉛」がどのように人体に悪影響を与えるかを解説していきます。
鉛は人体への経皮吸収(皮膚を経由した吸収能)はほとんどなく、人体へは主に吸入または経口摂取により吸収されます。吸収された鉛は、主に血液および軟部組織への取り込まれ、神経系や胃腸系、心臓血管系、骨などに蓄積されていきます。鉛は血液でのヘモグロビン合成を阻害させる作用があります。また、血液から運ばれた鉛の蓄積により神経の伝達速度の低下や胃腸系や心臓血管系の働きを阻害させる作用もあります。
鉛が体内に蓄積された際の初期症状としては、体のだるさや睡眠不足から始まり、やがて貧血や神経炎などが現れます。さらに悪化すると神経系のまひや胃腸障害などが起こるため、危険な物質であると考えられます。
現在は規制が入り、ガソリンや塗料などを無鉛化しておりますが、過去に使用されていた塗料やガソリン等が土壌中に残留しているケースはあり得ます。そのような危険性からブログ記入時点では土壌汚染対策法の特定有害物質に該当しており、弊社でも調査をしております。不安な点やご相談等ございましたらいつでもお問い合わせください。
瀬戸
*業務時間外は、直接担当者に繋がります。