こんにちは!
今年の冬は寒いと思ったら、暖かくなったり、
反対に暖かくなったと思ったら、寒くなったりとよく分からない冬ですね!
朝晩の気温差が大きいので、体温調節をしっかりしながら残り少ない冬を過ごしましょう!
さて、今回は土壌ガス調査についてお話していきたいと思います!
まず、土壌ガスとは、土壌汚染対策法でいう第一種特定有害物質のことを指します。
代表的な物質でいうと、以下の通りです。
●テトラクロロエチレン
⇒主にドライクリーニングで使用されていた。
●トリクロロエチレン
⇒脱脂作業の際に使用される。
●ベンゼン
⇒ガソリンに含まれている可能性がある。
では、実際に土壌ガスによる土壌汚染のおそれの可能性がある場合
どんな調査をしていくのでしょうか。
土壌汚染のおそれが少ない場合、つまり汚染の可能性が低いと考えられるような有害物質の使用履歴がない場合や不明な場合は
30m×30m区画で1地点での土壌ガス採取となります。
あくまでも土壌汚染のおそれが少ない場合での採取地点となるので、
・過去に該当する土壌ガスを使っていた
・履歴などはないが、使っていたと聞いている
等であれば土壌汚染のおそれが比較的多いまたは多い(土壌汚染の可能性が高いと考えられる)として
10m×10m区画で1地点とることがあります。
採取方法として
コンクリート等の被覆がある場合は
➀ハンマードリルという機械を使い、100円玉強の穴を空けていきます。
➁ボーリングバーという道具で1mほど穿孔していきます。
➂採取管を設置し、管に蓋をして30分置いておきます。
(土壌中にある土壌ガスを集めるため)
➃減圧箱を用いて、テドラーバックに採取していきます。
その後は分析にかけていきます。
土壌ガスに基準値はありませんが、定量下限値が設けられており、
この値を超過するとボーリング機械を用いて実際に土壌を採取して土壌の基準値に適合しているか調べていきます。
土壌ガス(第一種特定有害物質)調査に限らず、土壌汚染調査では過去に何を使っていたかが重要になってきます。たとえ10年前に宅地として利用されていても
20年前に特定有害物質が使われていた工場があれば土壌汚染のおそれが多くなります。
まずは土壌ガス調査を行い、汚染の有無を判断してはいかがでしょうか。
土壌ガス調査に限らず、実際に表層土壌を採取する調査も必要となってくる場合があります。
土壌汚染全般、調査についてご不明点・ご不安な点がありましたらお気軽にご相談ください!
◆関連リンク◆
・第1種特定有害物質の詳細
・クリーニング店・跡地
・ガソリンスタンド跡地
鈴木
2024年4月5日追記
前述の記事では第1種特定有害物質の主な3項目について紹介してますが、
全部で12項目の物質があります。
また、第1種特定有害物質の中にはほんのわずかに、
分解する傾向がある種類があります。
テトラクロロエチレンを調査する際には、
・テトラクロロエチレンが分解して生成される、トリクロロエチレン
・トリクロロエチレンが分解して生成される、1.1-ジクロロエチレン、1.2-ジクロロエチレン
・1.1-ジクロロエチレン、1.2-ジクロロエチレンが分解して生成される、クロロエチレン
など5つの項目について調査をする必要があります。
このようなものをテトラクロロエチレンの分解生成物といいます。
土壌汚染調査の際には、対象物質と合わせて分解生成物も含む形で調査を実施するように土壌汚染調査では定められています。
(出典:環境省 土壌汚染状況調査の方法)
土壌ガス調査の際には、土壌中の気体を採取し
全12項目の分析を実施して、土壌ガスが含まれているのかどうかを判断します。
土壌ガス調査の有効範囲は900m2程といわれております。
例えば100m2程の敷地内で土壌ガス調査を実施した際に、
調査有効範囲内にある別の土地で使用され、
漏洩してしまったトリクロロエチレンが検出されてしまう。
というケースがあります。
この場合には、ボーリング調査を実施し、
採取した土壌試料に第1種特定有害物質が含まれていないことが
確認されれば、調査対象となった100m2の敷地には土壌汚染はない。
という結論になります。
別の案件では調査を実施している際に、
テトラクロロエチレンを使用している場所で、
土壌ガスがわずかに検出してボーリング調査を実施した場合に
土壌からは有害物質が検出されないというケースもあります。
工場などでも試薬の取り扱いや用途などは様々で、
調査を実施した際に思いもよらない結果に当たることがあります。
まだまだ土壌汚染については奥が深く、日々勉強です。
土壌汚染調査のことでわからないことや、
知りたいことなどありましたら、
お気軽にジオリゾームまで
ご相談ください。
森上
*業務時間外は、直接担当者に繋がります。