土壌汚染調査で土壌のサンプリングを行う際には、「汚染のおそれ」(≒土壌汚染の可能性)という考えを基にサンプリングの位置を決めます。
例えば、「有害物質を使用していた場所」、「有害物質を開封し保管していた場所」、「有害物質が排水として流れる配管」「有害物質の廃棄場所」など、有害物質を使用していた履歴が明確にわかっている場合には、「汚染のおそれが比較的多い」(≒土壌汚染の存在する可能性が高い)と考えられ、その場所でサンプリングを行います。
それでは有害物質を使っていない場所はサンプリングしないのか?ということになりますが、有害物質を搬入するための経路や駐車場などは、「汚染のおそれが少ない」(≒土壌汚染の存在する可能性は低い)と考えられます。この場合は、敷地を100m2で区分けした部分の中心でサンプリングを行います。
そして、有害物質を使用していない場所でもなく、有害物質の搬入にも使用しない場所(グラウンドや外来者専用駐車場など)は「汚染のおそれがない」(≒土壌汚染の存在する可能性はない)と判断し、サンプリングは不要と考えられます。
では、住宅地などではどうなるのでしょうか。
土壌汚染調査を行う中で、一番件数が多いのは、有害物質の使用などはないが土地を売買するのに、土壌汚染が有るのか調べてほしいといった内容です。住宅地では土壌汚染になるような有害物質を使用していたとは言えません。それならば「汚染のおそれはない」と判断されます。確かにそうなのですが、有害物質の中にはもともと自然界に存在しているモノも多くあります。
みなさんも学生時代に習ったような公害病のイタイイタイ病は、鉱山の土中に含まれていたカドミウムが原因とされています。このカドミウムも土壌汚染調査の対象となっています。
その他にも鉛や砒素、ふっ素などは自然界に存在している状態ですでに土壌汚染の基準を超えてしまっている場合があります。
このような状態を「自然由来の土壌汚染」と言います。「自然由来の土壌汚染」はもともと、汚染が有った土地を造成し人が生活をするようになってしまったものと、造成を行った時に使用した土が「自然由来の土壌汚染」であったケースが存在します。
土壌汚染には、工場などで使用されていた有害物資が原因で引き起こされている場合だけではなく、自然由来のモノとがあります。そのため、住宅地として利用されていた土地であっても土壌汚染が無いとは言い切れないのです。
土地を買うというのは、色々な契約があり不良(土壌汚染)が見つかったからと言って返品してくださいとは言えません。土壌汚染が見つかってしまい、納期が遅れたために違約金が発生してしまうということもよく聞きます。工場など有害物質を使用していなかったとしても土地を売買する際には、事前に土壌汚染調査を行うことをお勧めいたします。
土壌汚染調査のことでわからないこと、気になることがありましたら、
是非ジオリゾームにご相談下さい。
森上
*業務時間外は、直接担当者に繋がります。