環境系のニュースを見ていると、ロシアで大規模な油流出事件があったとのことで、ご紹介致します。
2020年5月29日、ロシアのクラスノヤルスク地方の北極圏に位置する火力発電所にて、燃料が流出。軽油を貯蔵していた施設から2万1000トンの軽油が河川や土壌に流れ込んだとのことです。(出典:CNN)
原因究明の一環で火力発電所の地盤に存在する永久凍土が融解し、その結果発電所を支える基礎が沈下し、軽油タンクや配管の破損、油の流出につながったのではないかと言われています。ロシアでも大統領が、事故のおこった地域を非常事態宣言を出しているようです。
この事件について、日本でも油の流出事件などはニュースに取り上げられたりすることがありますが、ここまでの規模というのは初めて聞きました。日本では風水害の影響で油をためている槽から流出するということが多いですね。油が流出してしまった際の対応としては、
①油の配管のバルブ関係を閉める。
②土のうを積み拡散を防ぐ。
③オイルフェンスなどで敷地外や水路へ油の拡散を防ぐ。
といったところでしょうか。
ただし、このような対策では表面的に油汚染の流出、拡散は止められますが、土壌にしみ込んだ油は排除できません。
油汚染された土壌は自然にきれいになることはありません。土壌に付着してしまった油はすこしずつ流出してしまい、河川や付近の土壌を汚染してしまいます。
油汚染を浄化するためには、まず油汚染の範囲を確定させなければなりません。汚染の流出地から、どこまでの範囲を油で汚染されているのかを見つけ出し、対策を練る必要があります。
油に関しては、日本の法律では土壌汚染を有害物質としては認められていません。日本の土壌汚染対策法では、人体に悪影響のある26項目の有害物質(特定有害物質といいます)のみを規制しています。しかし、油については様々な国で規制をかけているのが現状です。日本においても国が規制をかけているわけではありませんが、油汚染対策ガイドラインという形で取り決めを行っています。
油汚染については法律での規制はないものの、土地取引の際には問題視されるケースとなり得ます。不動産売買の際には、油汚染であっても土壌汚染とみなされます。油汚染の浄化工事も土壌汚染と同じく、敷地の広さによって1000万円以上、場合によっては1億以上の費用がかかるケースがあります。往々にして問題となるのが、これらの費用をどこが負担となるのかということです。
これから購入する土地に汚染が有るのか、事前に調査をしておくことで、土壌汚染の問題を解決していくことができます。
土壌汚染や油汚染について知りたいこと、不明なことがありましたら、是非ジオリゾームにご相談下さい。
森上
*業務時間外は、直接担当者に繋がります。