皆さん、こんにちは!
今年は昨年よりも梅雨が長く感じますが、段々と夏らしさが出てきましたね!
新型コロナウイルスの影響もありマスク着用が当たり前で、
昨年以上に熱中症のリスクが高まっています。こまめな水分補給をして乗り切りましょう!
最近、お問合せ頂くのが、クリーニング店関連の調査についてです。
「なぜクリーニング店で土壌汚染調査が必要なの?」と思われる方がいらっしゃると思います。
”クリーニング店”と言っても様々な用途・方法を用いて営業されています。
クリーニングは大きく分けて3種類あります。
➀ドライクリーニング
石油系溶剤(ターペン等)や塩素系溶剤(パークレン・パークロロエチレン)、
と界面活性剤を使用して汚れを落としていきます。
➁ランドリー
高温の水と洗剤、洗浄力アップのための助剤を入れて汚れを落としていきます。
汚れの種類によって助剤を変えてクリーニングしていきます。
③ウェットクリーニング
ドライクリーニングやランドリーでは落ちない・取り扱えないものを対象として
特殊な洗剤を用いて汚れを落としていきます。
➀~③のクリーニングで土壌汚染が考えられるのは、
➀のドライクリーニングです。ここで使われる塩素系溶剤パークレン、
物質名テトラクロロエチレンが土壌汚染対策法の特定有害物質として指定されています。
テトラクロロエチレンは洗浄力が強く、過去にドライ溶剤として推奨されていました。しかし、発ガン性等が認められたため、厳しい規制をかけられています。
テトラクロロエチレンは揮発性の物質で、比重が水より重いため土壌汚染だけでなく地下水まで汚染が広がる可能性があります。
また、テトラクロロエチレンは土壌中で、トリクロロエチレン、1,1-ジクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレン、クロロエチレンに分解されていきます。これらも特定有害物質として指定されていますので、調査の際にはこれらの物質も見ることになります。これらの物質を取り扱い、行政に届け出ている場合、店舗を廃業・廃止する際に調査を行わなければなりません。
*クリーニング工場廃止時に必要な土壌汚染対策(出典:日本クリーニング環境保全センター)
ここまで、クリーニング店の中でもドライクリーニングを行うことで土壌汚染の可能性が高いというお話をさせて頂きました。
ドライ機は排水をしない構造ですが、どうしてもドライ溶剤を機械に投入する際にこぼれてしまうとそれが土壌に入ってしまい土壌汚染が起こります。また、廃棄する際には専門業者に引き取り処分しているかとは思いますが、規制がない時代には廃液をそのまま庭に捨てていたということもあります。
土壌汚染対策法は2003年から施行されており、それ以前に廃業しているクリーニング店には土壌汚染対策法による調査義務はありません。しかし、調査をすることで土壌汚染が見つかったケースも多くあります。
過去にクリーニング店の履歴が出てきた際には一度土壌汚染調査を行ってみてはいかがでしょうか。
何かお困りなことがありましたら気軽にお問合せ下さい!
お問合せはこちらから!
鈴木
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2024年10月1日更新
クリーニング店を廃業する際には、
どんな調査が必要なのかをお話したいと思います。
クリーニング店を廃止する際に、土壌汚染調査が必要になるのは、
主に塩素系の溶剤(パークレンやパークロロエチレンと呼ばれる溶剤)を
使用されていた場合となります。
廃止をする直前だけではなく、過去に使用されていた場合でも、
現在までクリーニング店として創業されていた場合には、
調査が必要となります。
まず、調査の順番として
①地歴調査
②概況調査(土壌ガス調査)
③詳細調査(ボーリング調査)
④土壌汚染浄化対策
となります。
①地歴調査、②概況調査(土壌ガス調査)まで行い、
その結果、土壌ガス中に有害物質が検出されなければ、
土壌汚染なしとして、調査報告を行うことになります。
②概況調査で有害物質が検出された場合には、
③ボーリング調査の実施や
④土壌汚染浄化対策までを行うことになります。
それでは、①から順次お話していきます。
①地歴調査
地歴調査はクリーニング店が創業されていた場所が
過去にどのように使われていたのかを調査し、
調査対象物質や土壌汚染の原因となる有害物資を
選定するための調査となります。
そして実際にクリーニング店内の調査として、
ドライ機を設置していた場所、
溶剤を保管していた場所、
スラッジなどの廃棄物の保管方法や廃棄方法、
運搬経路、過去に起きた事故や、有害物質の漏洩事故の履歴、
廃棄物の埋め立てなどの有無について、
履歴を調べ土壌汚染のリスクが高い場所(実際のサンプリング場所)
を選定することになります。
また注意が必要なものとしてクリーニング店の前歴として、
畑や田んぼ、住居など有害物質の履歴が考えられない場合であれば、
クリーニング由来の有害物質のみを対象として調査を行います。
しかし、前歴にめっき工場や金属加工など有害物質を利用していた
可能性のある履歴があれば、土壌汚染の原因となる有害物質の
種類が増えてしまいます。
②概況調査(土壌ガス調査)
パークレンを対象とした概況調査では
土壌中のガスを採取し、その気体中に有害物質が
検出されるかどうかを調査します。
調査をする場所を選定する根拠として、
①地歴調査によって得られた結果を基にします。
・なぜ土壌ガスなのか
パークレン・パークロロエチレンと呼ばれる有害物質は
揮発性(常温常圧で気体になる性質)があります。
そのため、土壌に漏洩してしまった溶剤は、
土壌中で気体となって土壌の隙間にある空気に
含まれてしまいます。
そのため、土壌中のガスを検査し、有害物質の有無を
調査することが有用であると考えられています。
③ボーリング調査
概況調査で土壌ガス中に有害物質が検出された場合には、
実際に土壌をサンプリングし、土壌中に存在している
有害物質が基準以内なのか、基準を超える濃度で存在しているのかを調べます。
基準を超えない場合は、土壌汚染はなしと判断ができますが、
基準を超えてしまうと、健康被害につながる可能性があると判断されます。
④土壌汚染浄化対策
③ボーリング調査の結果、土壌汚染があると判断され、
そのうえで、土壌汚染が原因となって健康被害が引きおこる場合には、
土の入替や薬剤による分解浄化、
井戸を設置し汚染が敷地外に流出しないように対策するなど、
人への健康被害を食い止める対策が必要になります。
土壌汚染は存在するが、健康被害は引きおこらないような場合には、
土地をいじる行為、土木工事や建築等によって
土壌汚染が拡散しないように、工事を行う際には、
管轄の役所へ届出が必要になることになります。
ざっと店舗廃止の際にどのような動きになるのかを
お話させていただきました。
具体的な期間や費用については、
各案件によってさまざまであり、一概にはお話できないことが多々あります。
土壌汚染調査が気になる、今後移転や廃止を考えている等
気になることがありましたら、
お気軽にジオリゾームまでご相談下さい。
森上
□■関連■□
・④調査契機:クリーニング店売却
・➄事例紹介:クリーニング店・跡地
・③土壌汚染物質:第1種特定有害物質
*業務時間外は、直接担当者に繋がります。