大阪府では、土壌汚染対策法に加えて、「大阪府生活環境の保全等に関する条例」が定められています。大阪府条例の義務調査の土壌汚染調査事例についてご紹介します。
義務調査の土壌汚染調査について、気をつけるポイント、調査の流れや内容、期間などを詳しくまとめた無料冊子等もご参考にしていただければと思います
土壌汚染対策法の義務調査の内容を詳しくまとめたページはこちら
大阪府条例の概要
大阪府では、「大阪府生活環境の保全等に関する条例」が定められています。詳しくは、こちら↓のページをご覧ください。
大阪府条例で定められている土壌汚染調査の契機は、6つあります
- 有害物質使用届出施設等を廃止する時
- 有害物質使用届出施設等に係る調査が猶予されている工場等の敷地で形質変更を行う時
- 稼働中の有害物質使用特定施設等が、同一の工場等以外の用途で利用するために土地の形質の変更をしようとするとき
- 土地の改変を行うとき(3000㎡以上、有害物質使用施設は900㎡以上)
- 自主的に調査をし、その結果を報告する時
- 健康被害が生ずるおそれがあるとき
Point!①法で対象になっている施設以外に、条例で対象となる施設がありますのでご注意ください。
法対象:特定有害物質使用届出施設
府条例対象:特定有害物質使用届出施設等 と、ちょこっと呼び方が違います。。
Point!②大阪府では、土壌汚染対策法で定められている特定有害物質以外に、ダイオキシン類もダイオキシン類特別措置法の該当施設では調査が必要です。
ダイオキシン類の調査事例はこちら
大阪府条例に基づく土壌汚染調査の事例①
-3000㎡以上の土地の形質変更-
では、具体的に、大阪府条例に基づいて当社で実施させていただいた事例をご紹介していきます。1つ目は、土地開発の事例で、3000m2以上の土地で開発を行う際に実施した事例です。
土壌汚染調査の経緯
不動産会社さんが買い取った土地に商業施設を建設して売る予定で、開発申請を提出しました。対象地は3,000㎡以上の土地で、大阪府条例で地歴調査が義務づけられているため、ご依頼を頂きました。
- このケースは、土壌汚染対策法と都道府県条例の両者の対象となります。
- 大阪府条例の流れに従って実施しました。
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土壌汚染調査の概要
調査場所:大阪府
調査種類:都道府県条例による義務調査
敷地面積:4,914㎡
現地の状況:更地
具体的な調査内容:土地履歴調査(地歴調査)
報告書内容
・対象地および周辺地の概要
・土地利用の変遷
・空中写真、住宅地図、地形図による過去の土地の利用状況等の目視による調査
・現地踏査による調査
・登記簿謄本(現在および過去のもの)
・地形図(現在および過去のもの)
・空中写真(現在および過去のもの)
・住宅地図(現在および過去のもの)
・地質図
・現場踏査写真
地歴調査の際の注意点(大阪府の場合)
・登記簿謄本、住宅地図、地形図、空中写真は昭和35年までさかのぼること。
・登記簿謄本と住宅地図、空中写真の内容が一致していない場合は聞き取り調査を行う。
・地図、写真を複写して利用する場合は著作権者の承諾を得ること。
・報告書を提出するときは、行政が指定している条例様式を添付する。
資料収集・報告書作成 約1ヶ月、役所確認約1ヶ月でした。
地歴調査の詳しい内容についてはこちら
地歴調査の費用についてはこちら
土壌汚染調査結果
「 土壌汚染の可能性はない」結果となりました。報告書を大阪府へ提出し、条例による義務調査は、完了しました。(土壌汚染対策法に基づく調査も同時に書類を提出し完了しました。)
*土地履歴調査(地歴調査)の結果、有害物質を使用する施設の履歴があった場合には、土壌汚染の可能性が有るということで、土壌調査(実際に土を採取して分析して調べる調査)を実施することになります。
この場合の土壌調査の流れや内容は、土壌汚染対策法に基づく土壌汚染調査と同じです。
大阪府条例に基づく土壌汚染調査:完了
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自主的な土壌汚染調査の実施
行政への報告は終了しましたが、その後、売買の関係から土壌汚染が無いことを証明するために、自主的に表層土壌調査を行いました。
具体的な調査内容:表層土壌調査
1.第1種特定有害物質全項目についての調査
土壌ガス採取
採取箇所 8箇所⇒分析数 8検体
2 . 第2種・第3種特定有害物質全項目についての調査
表層土壌採取
採取数 37箇所(5地点・4地点・3地点混合)⇒分析数 8検体
以上で、工期:計画 7日間、現地調査 3日間、分析 14日間、報告書 7日間
計31日間でした。
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土壌汚染調査結果
土壌汚染はありませんでした。
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その後
その後、計画通りに、 開発が開始されました。
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大阪府下の義務調査の事例
-有害物質使用特定施設の廃止-
続いて、2つ目の事例です。有害物質を使用されていた特定施設のある工場を廃止する際に行った法3条調査の事例です。
*大阪府条例で法に上乗せされている有害物質使用特定施設等の廃止時についても同じ流れになります。
土壌汚染調査の経緯
大阪府下で鍍金業を営まれていたお客様が、事業所(特定施設)の廃止に伴い役所へ廃止届を出され、調査命令が下った為、ご依頼頂きました。
- このケースは、府条例にはかからない法対象の施設だったため、土壌汚染対策法の対象となりました。
- 法も条例も、基本的に同じ内容で進められていきます。
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土壌汚染調査の概要
調査場所:大阪府 某所
調査種類:義務調査
敷地面積:220㎡
現地の状況:鍍金業の作業場及び居住スペース
具体的な調査内容1:土地履歴調査(地歴調査)
報告書内容
・対象地および周辺地の概要
・土地利用の変遷
・空中写真、住宅地図、地形図による過去の土地の利用状況等の目視による調査
・現地踏査による調査
・登記簿謄本(現在および過去のもの)
・地形図(現在および過去のもの)
・空中写真(現在および過去のもの)
・住宅地図(現在および過去のもの)
・地質図
・現地踏査写真
地歴調査の際の注意点(大阪府の場合)
・登記簿謄本、住宅地図、地形図、空中写真は田畑が確認できる年代までさかのぼること。
※土壌汚染対策法では、昭和20年(1945年)までさかのぼることが望ましいとされています。大阪府ではそれ以前まででも、田畑の履歴が確認できれば、そこまでの資料でよいということになります。
・登記簿謄本と住宅地図、空中写真の内容が一致していない場合は聞き取り調査を行う。
・地図、写真を複写して利用する場合は著作権者の承諾を得ること。
・報告書を提出するときは、行政が指定している条例様式を添付する。
資料収集・報告書作成 約1ヶ月、役所確認 約1ヶ月でした。
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地歴調査の費用についてはこちら
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土壌汚染調査結果1
土地履歴調査(地歴調査)で、シアン化合物、六価クロムおよびその化合物、ほう素およびその化合物、鉛およびその化合物について、汚染のおそれがあることが確認されました。
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具体的な調査内容2:表層土壌調査
第2種特定有害物質の中の、特定施設にて使用していた物質(シアン、六価クロム、ほう素、鉛)についての調査
表層土壌採取
採取箇所 7箇所⇒分析数 4物質×2検体
以上で、工期:現地調査 1日間、分析 12日間、報告書 10日間 でした。役所へ報告書提出後、審査・受理で約21日かかりました。
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土壌汚染調査結果1
3地点で汚染が確認されました。
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その後
土壌汚染はありましたが、周辺に井戸水の飲用利用がなかったため、役所によって形質変更時要届出区域(対象地にある建物を解体して土壌を搬出したり、別用途で使用する場合に届出が必要な区域)に指定されました。
浄化は実施されずに、対象地を倉庫として使用されておられます。
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