土地を売る際に行った土壌汚染調査事例をご紹介します。
自主調査の土壌汚染調査について用途別に気をつけるポイント、調査の流れや内容と費用を詳しくまとめた無料冊子もご参考にしていただければと思います
土地の売却時の土壌汚染調査の内容やポイントを詳しくまとめたページはこちら
事例1 元遊技場を売る
土壌汚染調査の経緯
地主さんが所有している土地を売りたいとのことで、元遊技場だった土地を売り、買い手が見つかりました。 この土地に特定施設はありませんでしたが、売買契約の際に、買主さんから土壌汚染調査をしてほしいと言われたとのことで、依頼をいただきました。
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土壌汚染調査の概要
調査場所:関西地方
調査種類:自主調査(「土壌汚染対策法」に準拠)
敷地面積:362㎡
現地の状況:建物の解体中
具体的な調査内容:表層土壌調査
1.第1種特定有害物質全項目についての調査
土壌ガス採取
採取箇所1箇所⇒分析数1検体
2 . 第2種・第3種特定有害物質全項目についての調査
表層土壌採取
採取数5箇所(5地点混合)⇒分析数1検体
以上で、工期:現地調査1日間、分析14日間、報告書5日間
計20日間でした。
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土壌汚染調査結果
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その後
売買が成立しました。
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事例2 倉庫跡地を売る(行政へ自主的に調査結果を報告)
土壌汚染調査の経緯
企業が所有している土地を不動産業者へ売る際に、この土地に特定施設はありませんでしたが、土壌汚染調査を不動産業者より要求され売主が実施しました。この不動産業者は調査結果を行政に自主的に提出し、行政の確認印をもらうことを売主となる企業に要求しました。(不動産業者さんや、企業さんによっては、土地を買う際にこういう形で土壌汚染調査をするということを決めています。)そのため、行政と計画を確認しつつ調査を実施しました。
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土壌汚染調査の概要
調査場所:関西地方
調査種類:自主調査(「土壌汚染対策法」に準拠。役所へ報告)
敷地面積:1200㎡
現地の状況:一部倉庫が建っている。一部コンクリート舗装
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具体的な調査内容1:表層土壌調査
1.第1種特定有害物質全項目についての調査
土壌ガス採取
採取箇所3箇所⇒分析数3検体
2 . 第2種・第3種特定有害物質全項目についての調査
表層土壌採取
採取数12箇所(5地点混合×2区画、2地点混合×1区画)⇒分析数3検体
以上で、工期:計画21日間(役所との打ち合わせ、役所の計画書確認期間含む)
現地調査1日間、分析14日間でした。
(報告書作成は、後の個別調査等と一緒に作成)
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土壌汚染調査結果
2つの30m×30mの区画において、砒素(溶出量)の基準値超過が認められました。汚染の範囲を特定するため次の調査を実施することになりました。
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具体的な調査内容2:個別調査
調査場所:関西地方
調査種類:自主調査(「土壌汚染対策法」に準拠。役所へ報告)
敷地面積:1200㎡
現地の状況:一部倉庫が建っている。一部コンクリート舗装
調査項目: 第2種特定有害物質 砒素およびその化合物についての調査
表層土壌採取
砒素の基準値超過が認められた区画の中で、採取していなかった1箇所を追加で採取。前回調査で採取した土壌とあわせて、分析数11検体
以上で、工期:計画14日間(役所の確認含む)、現地調査0.5日間、分析14日間でした。
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土壌汚染調査結果2
2つの10m×10mの区画で砒素(溶出量)の基準値超過が確認されました。続いて汚染の深さと地下水汚染の有無を確認するために次の調査へ進みました。
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具体的な調査内容3:詳細調査
調査項目: 第2種特定有害物質 砒素およびその化合物についての調査
5mのボーリング調査を実施しました。
砒素(溶出量)の基準値超過が認められた2地点について、5mボーリングを実施しました。
通常は1mごとに分析ですが、より細かく調べて浄化費用を削減するために0.5mごとに土壌を採取しました(※行政によっては受け付けないケースもあります) 。
地下水も調査しました。
分析数:土壌7検体(基本 深度 1m、2m、3m、4m、5m)×2か所、
地下水1検体×2か所
追加分析:1検体(基本深度の間の0.5mごとに採取した深度)×1か所
以上で、工期:計画14日間(役所打ち合わせ含む)、現地調査1日間、分析14日間、追加分析10日間
報告書21日間(役所の確認期間を含む)でした。
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土壌汚染調査結果
土壌については、1つの区画では1.0mまでが基準値超過で、もうひとつの区画では、0-0.5mまでが基準値超過と確認されました。地下水汚染はなし。
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売買に向けて、汚染土壌の除去へと進みました。
汚染土壌浄化対策工事の概要
調査場所:関西地方
調査種類:自主調査(「土壌汚染対策法」に準拠。役所へ報告)
敷地面積:1200㎡
現地の状況:更地
汚染物質: 第2種特定有害物質 砒素およびその化合物(土壌溶出量)
汚染土壌浄化方法:掘削除去(場外搬出)
搬出汚染土壌総量:200m3
掘削深度:0.75mと1.25m
土留め:粘土質のため土留めなし
埋め戻し:なし(その後、建物を建てる工事に入るため)
以上で、
浄化計画21日間、現地施工3日間、浄化完了報告の届出~役所受理完了1ヵ月半でした。
浄化工事は、1m3あたり3~5万円程度(程度や深度が深い場合はそれ以上)かかります。汚染物質によっても大きく異なりますので、詳しくはお問い合わせください。浄化費用の開きは、一例ですが、こちらの浄化事例と比べていただいても少しご理解頂けるかと思います。
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その後
一連の調査浄化報告書が役所に受理されたのちに売買手続きが進み、売買が成立しました。
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事例3 焼却施設があった土地を売る
土壌汚染調査の経緯
焼却施設があった駐車場を売買する際に、買主がダイオキシンによる汚染が気になるということで、ダイオキシン類を対象とした土壌汚染調査を実施しました。
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土壌汚染調査の概要
調査種類:自主調査(「土壌汚染対策法」、「ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル」に準拠)
敷地面積:約1,572㎡
現地の状況:駐車場
具体的な調査内容:表層土壌調査
○ダイオキシン類 :PCDDs,PCDFs,DL-PCB
採取箇所 5箇所⇒分析数 1検体
上記の図の採土器を、採取対象地点に打ち込み、表面から5cmまでの土を分析対象とします。今回は、この方法で5か所分の土を採取し、混合して1検体として分析にかけました。
以上で、工期:現地調査1日間、分析30日間、報告書7日間 、計38日間でした。
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土壌汚染調査結果
ダイオキシン類の土壌汚染調査を実施した結果、分析にかけた土壌から720pg-TEQ/g検出されました。指定基準値である「1,000pg-TEQ/g」は超過していなかったものの、調査指標値の「250pg-TEQ/g」 を超過していました。
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その後
「ダイオキシン類に係る土壌調査測定マニュアル」によると、調査指標値(250pg-TEQ/g)を超過している地点の周辺では、ダイオキシン濃度が環境基準値を超える恐れがある場合、周辺の状況に応じて追加調査を実施することとあります。追加調査の実施の必要性や、調査地点の選定については各自治体と相談することが望ましいです。
今回のケースでは、売買を円滑に行うため、売主が掘削入れ替えの対策を講じ、無事売買が成立しました。
ダイオキシンを対象とした土壌汚染調査は、対象地の状況や、焼却施設の有 無・状態、調査の目的等によって、調査の方針が変わってくるため、詳細は案件毎にお問い合わせください。
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